定年退職者向け「知っていると得する、知らないと損する」節税・確定申告テクニック

FIRE

始めに

60歳を過ぎた会社員(サラリーマン)が退職し、筆者が提唱する「シニアFIRE」を始めて第二の人生を楽しんでいる人は、①年金収入と、②資産運用益収入があり、さらに資格や趣味を活かして始めた個人事業やアルバイトの収入③事業所得や、④給与所得がある人です。

今回は、このように「シニアFIRE」を始めている方が、確定申告を行う場合の節税テクニックに関する記事を掲載します。

「シニアFIRE」を始めた方は、確定申告を適切に行うことで、①社会保険料の節税対策と、②所得税の還付が受けることでできます。

年間 数十万円 得することがあります。

今回の記事は、「知っていると得をする、知らないと損をする」テクニックに関して紹介しています。「シニアFIRE]を始めている人が確定申告を行う時、是非参考にしてください。

前述しましたが、筆者の提唱する「シニアFIRE」を始めているということは、
1)年金受給と資産運用のみの収入で「ゆとりある老後生活」を開始している方です。
2)さらに、趣味や資格を活かして、個人事業and/orアルバイト等を行って、事業所得や給与所得がある方です。

以上の方を対象に解説していきます。

「シニアFIRE」に関する記事です。こちらも是非読んでみて下さい。

👀シニア「FIRE」=「経済的自立と早期退職」で、「ゆとりある老後生活」を実現しています。

👀60歳から「シニアFIRE」を実現させるためのマネープランを紹介します。

はじめに注意点を伝えます。

今回の記事で、青色申告特別控除額の65万円と給与所得控除額の65万円と記載しています。

青色申告特別控除額は一般的には55万円ですが、65万円に対応させるためには、確定申告をe-Taxを使用して行うなど、条件を満たす必要があります。

給与所得控除額は一般的には55万円ですが、65万円の計算は、給与所得と年金所得の双方を有する場合に適用される所得金額調整控除を考慮しています。

詳しく知りたい方は「青色申告特別控除65万円」「所得金額調整控除」で検索してみて下さい。

今回の記事の「資産運用は、まずはNISA枠を活用し、超えた額は「源泉徴収ありの特定口座」で運用しましょう。」

この節税テクニックは、令和6年分からはメリットがなくなってしまう可能性があります。

その理由は

令和6年分から上場株式等の配当・株式譲渡所得等は所得税と市民税で同一の課税方式が義務化される可能性があるためです。
2023年以降の税制改正に注目しお伝えするようにします。

筆者がアドバイスする節税テクニックのポイント

ポイント1.
 公的年金額は、できれば住民税非課税世帯の基準をクリアーしましょう。
ポイント2.
 資産運用は、まずはNISA枠を活用し、超えた額は「源泉徴収ありの特定口座」で運用しましょう。
ポイント3.
 個人事業は青色申告を行います。事業所得額は青色申告特別控除額の65万円以下でOKです!
ポイント4.
 アルバイト等の給与所得は給与所得控除額の65万円以下でOKです!

(個人事業やアルバイトは、無理をせずに自由気ままな「ゆとりある老後生活」の範囲内で楽しみながら行う程度を推奨します。)

「シニアFIRE」を開始している方は確定申告で節税しましょう

「シニアFIRE」を始めている人のほとんどは、確定申告を行う必要があると思ってください。大幅な節税が期待できます。

確定申告を行う前に、基礎知識は知っておいてください。

「シニアFIRE」開始後の収入がどの種類の所得になるのか知っておきましょう。

・公的年金等の収入は、雑所得
・資産運用からの分配金や配当金等の収入は、配当所得(総合課税)
・資産運用の売買益による収入は、譲渡所得(分離課税)
・個人事業の収入は、事業所得
・アルバイト等の収入は、給与所得

(各種の所得の特徴は)

≪公的年金収入≫は、
65歳以上の場合、ほとんどの方は公的年金控除110万円を年金額から差し引いた額が雑所得になります。
例:公的年金収入210万円―110万円=100万円 が雑所得額になります。

≪株式・投資信託等で行っている資産運用≫は、
「源泉徴収ありの特定口座」で運用している場合は、資産運用益は、譲渡所得、配当所得、になりますが、すでに源泉徴収されているので確定申告は原則必要ありません。
しかし確定申告することで、源泉徴収されている所得税が還付される可能性があります。

≪個人事業の収入≫は
必ず確定申告が必要です。青色申告を行えば事業所得は。売上金額から必要経費を引いた収入額からさらに青色申告特別控除65万円を差し引いた額が事業所得額になります。
「知っていると得をする」ポイント:赤字の場合は公的年金等、給与所得、一時所得などと損益通算ができます。

≪アルバイト等の収入≫は、
アルバイト等の収入から給与所得控除を差し引いた額が、給与所得になります。原則、給与収入は、会社で年末調整が行われるので、年末に渡される源泉徴収票を使って確定申告を行う必要があります。

(所得税の還付とは)

確定申告は、以上の各所得額を合計し、所得控除(社会保険料、人的控除、生命保険控除、医療控除等)額を差し引いて、課税総所得金額を計算し、所得税額が決定します。この金額が源泉徴収された金額より少なければ、その差額が還付されます。

確定申告の方法は、税務署で丁寧に教えてもらえるので心配はいりません。

社会との係わりを維持し、第二の人生を楽しむためにも、税務署、市役所、年金事務所などの役所関係に出向いて話を聞くことで、勉強にもなります。積極的に確定申告を行ってください。(笑)認知症対策にもなりますよ。(笑)

確定申告の基礎知識は、筆者の下記の記事でも勉強し理解して、確定申告に臨んで下さい。

👀【確定申告の所得と所得控除】理解して節税に、初心者にも解る税金計算の流れ

(参考まで、確定申告が不要な方の条件も伝えておきます。)

筆者が提唱する「シニアFIRE」を始めている方が、個人事業やアルバイトを止め、公的年金収入資産運用収入のみの生活を始めた時、
資産運用のすべてが「源泉徴収ありの特定口座」で行っている場合は、以下の条件を満たしておれば、「確定申告不要制度」を活用することができます。

高年齢になり確定申告などが煩わくなった時には是非活用してください。

①個人事業主でないこと。
②公的年金等による収入が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となっている場合
③さらに公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下であること。
(20万円以下とはどういうことか、参考例として)
アルバイト等の給与所得は、給与所得控除65万円を控除すれば、アルバイト等収入金額は年間85万円以下であれば申告不要です。
・公的年金以外の個人年金保険等を年金として毎年受取る収入は、必要経費(払い込み保険料)を控除した額が年間20万円以下は申告不要です。(保険会社に聞けば計算してくれますよ!)

理想的な節税テクニック

公的年金収入は、住民税非課税世帯の基準をクリアーしておきましょう。

確定申告の合計所得金額住民税非課税世帯の基準をクリーしておれば、高齢になって医療費や介護費が増えてきたときに、住民税非課税世帯の恩恵を強く感じると思います。

年金受給開始時の公的年金収入額は、ほとんど増減しない安定した不労所得になります。

この公的年金収入額が住民税非課税世帯の基準をクリアーしておれば、自治体により住民税非課税の様々な優遇措置があり「ゆとりある老後生活」を過ごすための大きな助けになります。

例えば、年金生活者は、公的年金額から税金(所得税と住民税/(市民税と府民税))と、社会保険料(介護保険料と国民健康保険料(75歳未満)、後期高齢医療保険料(75歳以上))が差し引かれ額を手取り額として受取っています。
住民税非課税世帯の基準をクリアーしている世帯であれば、ほとんどの世帯は、
・住民税、所得税はゼロになります。
・社会保険料も5割以上優遇などがあり、大幅に低減されます。
・医療療養費、介護サービス費が高額なった場合の自己負担額が軽減されるなどの優遇措置があります。
・そのほかにも各自治体の優遇処置があります。

住民税非課税世帯とは、

同一世帯全員が、住民税非課税になっている世帯のことです。
住民税非課税世帯になる条件は、世帯人数 と 住居地の(級地制度の級地区分)により条件が異なります。

(住民税非課税になる条件)

(世帯人数一人の場合)
・合計所得金額:45万円以下
年金収入のみの場合:155万円以下

☆(世帯人数二人以上の場合)
・合計所得金額 35万円×世帯人数+31万円以下
年金収入のみの場合:二人世帯で世帯主(夫)の年金が211万円以下、
 (生計を一にしている扶養親族一人増えることに+35万円になります。) 

(級地区分が変わると)

住居している区域の「級地区分」を必ず確認してください。
「211万円の壁」は、2級地では「201.9万円の壁」、3級地では「192.8万円の壁」になります。2級地、3級地の計算式は下表の通りです。

以下の記事は、好評で筆者が最も推奨する住民税非課税に係る記事です。是非、併せて読んで下さい。

👀(年金211万円の壁=住民税非課税世帯)の恩恵

公的年金支給の目標額を決めます。

住民税非課税世帯の基準になる合計所得金額を理解し、「シニアFIRE」を始めるための公的年金の目標額を具体的に決めます。

合計所得金額とは、
「シニアFIRE]を始めている人は、公的年金額から公的年金控除額110万円を差し引いた金額になります。

例えば公的年金額が211万円の人は、
211万円ー110万円=101万円が合計所得金額になります。

前述した住民税非課税世帯の基準は、夫婦二人世帯の場合の計算で、35万円×2(世帯人数)+31万円=101万円となり、住民税非課税世帯の基準をクリアーします。

「シニアFIRE」を始める条件の一つは、公的年金で「最低限必要な生活費」を確保することです。

損しないためのポイントは:住民税非課税世帯の基準額を超えないように目標額を決めることがポイントです。

目標額が決まれば、いつまで働き何歳から年金受給を開始するべきか決めます。(受給資格は60歳からあることも考慮し決めてください。)

目標額を決めるための「シニアFIRE」に関する記事です。こちらも是非読んでみて下さい。

👀シニア「FIRE」=「経済的自立と早期退職」で、「ゆとりある老後生活」を実現しています。

👀60歳から「シニアFIRE」を実現させるためのマネープランを紹介します。

公的年金額の確認方法

年金支給額を「ねんきん定期便」等で確認してください。
年金機構のHP「ねんきんネット」から、将来受け取る年金額のシミュレーションもできます。

👀【定年退職の年金額】「ねんきんネット」で事前にシミュレートし、マネープランを立てましょう!

例えば、
定年後、年金受給開始年齢になっても「シニアFIRE」を始めるための目標額に達していない場合は、再雇用等で、厚生年金に加入しながら会社員(サラリーマン)を続ける必要があります。年金の繰下げ受給制度を活用することで年金支給額を増やすことができます。

具体的な方法は下記の関連記事に解説しています。是非読んでみて下さい。

👀年金額を増やしたい方、損しない方法を教えます。目標の年金額を決めマネープランを作りましょう。

損しない確定申告のテクニック

資産運用は「源泉徴収ありの特定口座」で行う

資産運用のポイント
ポイント1:
「源泉徴収ありの特定口座」で運用すべき!

資産運用は、現状まずは、NISA制度を活用し、超える額は「源泉徴収ありの特定口座」で行います。(現状はNISAも活用することで120万円×5年=600万円は非課税で運用できます。NISAは必ず活用してください。)
「源泉徴収ありの特定口座」の運用では、上場株式等の配当等や上場株式等の譲渡益は、「所得税」と「住民税」がすでに源泉徴収されているので、原則は確定申告する必要はありません(申告不要制度)。税率は所得税及び復興特別所得税(15.315%)、住民税(5%)です。

しかし、確定申告することで、所得税の還付が期待できます。

所得税の還付は、源泉調整額の3分の2以上が戻ってくる
総合所得の所得税率は累進課税です。「シニアFIRE」を開始しているほとんどの方の税率は、所得税及び復興特別所得税(5.105%)です。
資産運用で得られる配当、分配金などは総合課税の配当所得になります。「源泉徴収ありの特定口座」では、所得税(15.315%)源泉徴収されているので、確定申告することで所得税率の差である(10.21%)分が還付されることになります。

ポイント2:
住民税は申告不要制度を選択すべき!

注意が必要なことは、確定申告をすることで合計所得金額が増えると、社会保険料(介護保険料、国民健康保険料、後期高齢医療保険料)が増えてしまいます。このため、住民税は住民税申告をして申告不要を選択。住民税は特定口座の申告不要制度を活用することで、対応できます。

節税の「損しないテクニック」ポイント:市民税は特定口座の申告不要制度を活用して下さい。
(例)所得税は確定申告をして、総合課税又は申告分離課税を選択、住民税は住民税申告をして申告不要を選択
※)令和3年分の確定申告からは、より簡便な方法で住民税の申告不要制度が選択できるようになりました。
具体的には、所得税の確定申告書に住民税の申告不要制度を選択するかどうかのチェックを入れる箇所が設けられ、そちらにチェックを入れた所得税の確定申告書を提出することで、住民税の申告不要を選択することが可能になります。(一部例外はございます)詳しくはお住まいの市区町村にご確認してください。

個人事業やアルバイトを行っている人の確定申告

今回の記事の対象者は「シニアFIRE」を開始している方が対象で、
・「最低必要な生活費」は公的年金収入で、
・「ゆとりある老後生活費」は資産運用益の収入で、
・個人事業やアルバイトの収入は、自由気ままな生き方を楽しみながら得られる収入
を想定して、損しない確定申告のテクニックを解説します。

第二の人生で、やりがいのある仕事を見つけて、個人事業やアルバイトで、現役時代なみの収入を得ている人は、これからも頑張って収入に応じて相応の税金と社会保険料を納めてください。
すいません、今回の記事の対象外になります。

住民税非課税世帯の恩恵を受けるためのテクニック:

「シニアFIRE」を開始している方は、個人事業による事業所得が65万円以下、アルバイトによる給与所得が65万円以下の場合は、合計所得金額が増加しないため、公的年金収入のみが住民税非課税世帯基準をクリアーしておれば、住民税非課税世帯の恩恵が受けられます。

確定申告の、合計所得金額が重要となります

①最も重要な所得は公的年金の収入額です。この金額は一度決定するとほとんど変動しません。

②個人年金保険等の収入がある人へ、個人年金保険等収入は、
・一時金で受取れば一時所得になります。計算上、必要経費(支払済み保険料)を差し引いた額から50万円を差し引いて額の1/2が課税対象になります。
・年金で受取れば、雑所得となります。必要経費(支払済み保険料)を差し引いた額がそのままが課税対象になります。一時所得の50万円控除や課税対象額が1/2になる優遇はありません。
個人年金保険の収入がある期間は、合計所得金額が増えてしまうため、住民税非課税世帯基準を超えないようにできないか検討することも重要です。筆者からのアドバイス、できるだけ一時所得で受け取る方が有利ですよ。

③個人事業の事業所得が65万円以下であれば、青色申告をしていると、青色申告特別控除65万円までは控除され、合計所得金額はゼロになります。もし経費が多く赤字になれば、公的年金等の雑所得と損益通算できます。

やりがいがあり、収益が多ければ、個人事業を続けている間は合計所得金額等の住民税非課税世帯の基準は気にせずに、元気な間は、働いてください。

年金支給額が住民税非課税世帯の基準をクリアーしておれば、事業を止めた後住民税非課税世帯の恩恵は受けられます。

④給与所得がある場合は65万円以下であれば給与所得控除で給与所得はゼロになります。

「シニアFIRE」を開始できているのであれば、個人事業やアルバイトは無理してまで行わなくてもよいと思います。

まとめ:「知っていると得する、知らないと損する」節税・確定申告

「得をする、損しない」理想的なテクニックについて解説してきました。まとめると!

住民税非課税世帯の基準をクリアーすることで、

  • 所得税、住民税をゼロになり、得します。
    社会保険料(介護保険料、国民健康保険料、後期高齢医療保険料)が大幅節税。10万円以上の節税が可能になり、得します。
  • 高齢になり、高額の医療費が必要になった時の負担限度額が大幅に低減されます。負担額が数十万円、得します。

資産運用は、現状非課税のNISAを活用、それ以外は「源泉徴収ありの特定口座」で運用することで、

  • 分配金や配当金の所得税が還付されます。運用益が100万円あれば、10万円以上の還付される場合もあります。「得した気分になります。」
  • 住民税は申告不要を行うことで、社会保険料の上昇を抑えることができます。「知らないと損をします。」

個人事業を始めている方は、青色申告を行いましょう。

  • 事業所得は65万円以下でOK、青色申告特別控除の65万円で事業所得はゼロ。合計所得金額は増えないので社会保険料が増えることはありません。「知っていると得、知らないと損をします。」
  • 事業所得が赤字になれば公的年金等の収入と損益通算ができ、合計所得金額を減らすことができます。「知っていると得、知らないと損をします。」
  • 必要経費として生活費(光熱費、通信費、固定資産税等)を按分して申請できます。「知らないと損します。」

アルバイトをしている人は、必ず会社から源泉徴収票をもらいましょう。

  • アルバイト収入は65万円以下でOK、給与所得控除の65万円以下であれば、合計所得金額は増えないので社会保険料が増えることはありません。「知っていると得、知らないと損をします。」
  • 源泉徴収されている方は、源泉徴収票を必ずもらってください。確定申告で所得税の還付してもらえる場合があります。「知らないと損します。」

(最後まで読んでいただきありがとうございます。)

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