65歳になってから退職される方、損しないように、是非読んで下さい。
雇用保険(失業給付金)は生活の安定を図ることを目的とした重要な社会保障制度です。
定年退職者も持っている大切な権利です。
65歳を境に、雇用保険(失業給付金)に大差が生じます。損しない最適な受け取り方を選択してください。
公的年金の給付が開始される65歳で、退職を考えておられる方、以下の記事を読んでいただき、65歳の誕生日前に退職することを考えてみてください。
筆者は、ライフプランを立て、理想的な受け取り方を実現し、およそ100万円の優遇を受けることができました。 👀【コロナ禍の定年退職】損しないための(体験談)
人生100年時代、定年後の第二のライフプランで、年金受給開始年齢の65歳までに退職する選択肢もあります。
この場合、公的年金の支給開始までは、収入がなくなります。ハローワークで雇用保険の申請を行うことで、基本手当(雇用保険の失業給付金)を受け取ることができ、しばらくは収入を得ることができます。
基本手当(雇用保険の失業給付金)を受けている間に、第二の人生のライフプランを立てることもできます。
1. 雇用保険の原則
(原則)
雇用保険は、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探し、1日も早く再就職する求職活動を行ってもらうために、基本手当(雇用保険の失業給付金)が支給されます。これは定年退職者も同じです。
新たな仕事を探すのが原則で、ハローワークの窓口で、職業相談・職業紹介・キャリア形成のための教育や資格取得の支援が行われています。
定年後の第二の人生のライフプランに役に立つ資格取得など新しいことにチャレンジすることもできます。
(筆者の体験談)
👀定年退職を迎えて、失業保険(雇用保険の失業給付金)について の記事に、筆者が62歳で再雇用契約満了で退職し、ハローワークで 失業保険の基本手当(雇用保険の失業給付金) の申請を行ったときの体験談を紹介しています。是非参考にしてください。
2.(定年)退職したとき、会社から必ず受け取る書類
雇用保険、および年金や国民健康保険などの退職後の申請に必要な書類を会社から必ず受け取ってください。
定年退職後の第二の人生のライフプランで、絶対に必要となる書類です。
- 年金手帳
- 雇用保険(失業保険)被保険者証
- 雇用保険(失業保険)被保険者離職票 -1 -2 (退職後に会社から送られてきます)
理想的な 基本手当(雇用保険の失業給付金) の受け取り方など、👀【定年時の重要3項目】①退職金の受取り方、②高年齢雇用継続給付制度、③失業保険の申請方法 の退職後に重要となる3項目についての記事を紹介しています。是非併せて読んで自分に合った 退職後をイメージしてみて下さい。
3. 基本手当 (雇用保険の失業給付金) の手続きの流れ
基本手当(雇用保険の失業給付金)を受け取るためには、雇用保険の申請を行う必要があります。受給期間は原則1年以内ですので、早い目に申請してください。
退職してから求職の申し込みが遅れると、所定給付日数分の基本手当が、満額受給できなくなる場合もありますので、注意してください。
住民票をおいている地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)で手続きを行います。事前に場所を確認しておいてください。
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求職申込み始めに求職申し込みを行い、その後基本手当の支給手続きを行います。
提出された書類(離職票等)により受給資格の決定が行われます。
[手続きに必要な書類]
・雇用保険(失業保険)被保険者離職票 -1 -2
・雇用保険(失業保険)被保険者証
・マイナンバーカード又はマイナンバー通知書&運転免許証など
・写真(たて3cm×よこ2.5cmの正面上半身、かつ、3カ月以内に撮影) 2枚
・ハンコ
・基本手当の振込先のご本人名義の普通預金通帳(郵便局もOK) など -
説明会雇用保険制度について詳しい説明が行われます。(コロナ対策のため中止される場合があります。)
「雇用保険受給資格証」が交付されます。①離職理由 ②基本手当日額 ③所定給付日数 を確認してください。
支給を受けるために重要な書類です。失くさないように注意してください。 -
待期期間待期期間 7日間が満了する。
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支給対象期間支給対象期間:給付制限の有無
1)給付制限がない場合は
次の日から基本手当の支給対象期間となります。
定年退職や再雇用の契約期間満了で退職した場合は給付制限はありません。
定年後の雇用継続では、通常1年ごとの契約更新で再雇用されます。この雇用継続において契約満了時に退職する場合には、契約更新の意思があり・なしに関わらず給付制限はかからず、定年退職と同様になります。2)給付制限がある場合
給付制限2カ月経過した後から支給対象期間となります。
自己都合で退職した場合。定年退職後の再雇用契約の満了前に退職した場合も給付制限に該当する可能性があるので注意してください。
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失業認定日失業の認定を受ける(再就職、支給終了まで)
4週間に1回指定されてた日時にあなた自身がハローワークに来所し失業の認定を受けます。
(持参)・雇用保険受給資格者証・失業認定申告書・ハンコ
給付制限期間中にある第1回目の(失業)認定日に失業の認定を受けないと、待期期間が経過したことになりません。したがって、給付制限期間中であっても、失業認定日には必ずハローワークへ行き、失業の認定を受けましょう。
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基本手当振込指定金融機関へ基本手当の振込
失業の認定を受けた日数分の基本手当が4~5日後に振り込まれます。
4. 所定給付日数(65歳を境に大差が生じます)
離職理由が、「会社都合」や「正当な理由のある自己都合」などの場合は所定給付日数が増えます。
特に、「両親の介護のための退職」も、正当な理由のある自己都合になる可能性が高いです。離職理由を明確に、ハローワークに伝えることをお勧めします。
64歳以下の離職者(基本手当が給付されます。)
- 離職理由:一般離職者(定年退職・自己都合退職・契約期間満了退職など)
被保険者期間 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
~64歳 | 90日 | 120日 | 150日 |
- 離職理由:倒産・解雇等による離職者、正当な理由のある離職者
(特定受給資格者・特定理由離職者に該当する場合)
被保険者期間 | 6カ月以上 1年未満 |
1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 |
60歳~64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 240日 |
65歳以上の離職者(高年齢求職者給付金が給付されます。)
65歳以上で退職した場合、要件を満たすと一時金で「高年齢求職者給付金」が受給できます。
離職理由により給付日数に差はありません。しかし自己都合退職等の場合は待機期間7日の後に2カ月の給付制限がかかります。
被保険者期間 | 1年未満 | 1年以上 |
65歳~ | 30日 | 50日 |
知っておいてください。65歳を過ぎてしまうと、給付日数が最大240日から50日となり、給付金がおよそ5分の1まで減ってしまいます。
何歳までサラリーマンで働き続けるか、ライフプランを立てる場合に、知らないと損する情報です。
5. ライフプランに適した雇用保険の申請
人生100年時代を考えた第二のライフプランで、「ゆとりある老後生活」を実現するために、どのようなライフスタイルで、いつまで働くべきか考えてください。そして、退職する時期、退職(離職)理由、退職年齢を考えて、「雇用保険の失業給付金」の理想的な受け取り方をしてください。
1)推奨する退職時期と離職理由
- 退職時期)定年退職や再雇用等の契約期間満了日に退職すること:2か月の給付制限がありません。
- 離職理由)会社都合 (倒産・解雇等)、正当な理由のある自己都合(両親の介護のためなど)で退職すること:失業給付金が増えます。
筆者は、離職理由が「高齢によりコロナ感染重症を避けるため」が退職の理由になることで、所定給付日数が、150日から240日になり、さらに国民健康保険が大幅軽減され、およそ100万円優遇されました。👀【コロナ禍の定年退職】損しないための(体験談)を併せて読んで下さい。
2)退職年齢
ブレイクポイント(変曲点となる)年齢は60歳、65歳、70歳です。どの年齢で退職するかで、基本手当(雇用保険の失業給付金)の計算式が異なり、受給額を変わります。
定年後のライフプランに応じて、特に年金受給開始時期も考慮して、最適な退職年齢を決めてください。
≪60歳で定年退職する場合≫
退職直前の給与が高いので、基本手当日額が最も高くなります(退職前6ヶ月の給与総額を用いて計算されるため)。所定給付日数150日(被保険者期間が20年以上)、になり給付総額が最も高くなります。
注意点:
・特別支給の老齢厚生年金などの「65歳前に支給される老齢年金」と「雇用保険の失業給付金」は同時には受給できません。どちらかを選択することになります。
・65歳の年金受給開始年齢までの収入と生活費を考慮する必要があります。
≪65歳までに退職する場合≫
再雇用のため、現役時代(60歳以下)に比べ年収は減っている場合、基本手当日額は少なくなります。所定給付日数は150日 (被保険者期間が20年以上)は受給できます。
注意点:
・ 「公的年金」と「雇用保険の失業給付金」の両方をもらうことができません。別支給厚生年金を受給される方、または、繰り上げ受給を開始している方で、すでに年金をもらっている人は、退職後に雇用保険の基本手当(失業給付金)を受給すると、厚生年金は支給停止になります。年金受給額の多い人は雇用保険の申請をすると損することになります注意してください。
参考に、基本手当日額の計算式は下表になります。引用先は
厚生労働省HP:👀令和3年2月1日からの基本手当日額等の適用について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
≪65歳以上で退職する場合≫
所定給付日数50日分 (被保険者期間が1年以上) が、 「高年齢求職者給付金」 として一時金で支給されます。65歳未満で退職するより、大幅に減額されます。筆者からの提案は、64歳で退職することを是非検討して見てください。
注意点:
・働くことができ、意欲がある方が対象です。病気等で退職する場合は対象外になります。
・基本手形日額は。退職前6ヶ月の給与の総額÷180(6ヵ月×30日)で計算した「賃金日額」に応じて下記の式で計算します。
- 賃金日額が:2,574円(下限額)以上; 5,030円未満の場合 は
「基本手当日額」=「賃金日額」×80% - 賃金日額が:5030円以上;12390円以下の場合は
「基本手当日額」= 0.8×賃金日額-0.3×{(賃金日額-5,030)÷7,360}×賃金日額 - 賃金日額が:12,390円超:13,700円(上限額)以下の場合 は
「基本手当日額」=「賃金日額」×50%
3)再就職手当の申請
第二の人生のライフプランで起業し個人事業主になる場合や、再就職をした場合は、基本手当の給付日数が、3分の1以上残っている場合、再就職手当が受給できます。
再就職手当の計算式
支給残日数 × 給付率 × 基本手当日額(上限あり)※給付率
支給残日数3分の2以上の人:70%
支給残日数3分の1以上の人:60%
4)筆者が推奨する60歳定年後の理想的な雇用保険の申請方法
- 65歳未満で退職し基本手当(雇用保険の失業給付金)の申請を行う。
- 再雇用契約等の契約満了時に退職する。
- 退職理由が会社都合又は「正当な理由のある自己都合」で退職すること。
- 所定給付日数の終了後から年金受給を開始する。
又は、年金受給の開始時に、所定給付日数が1/3以上残っている場合は、個人事業主になって再就職手当金の給付を受ける。
筆者は62歳の9月に、コロナ禍の感染予防を離職理由に再雇用契約終了時に退職し、雇用保険の申請を行いました。そして「ゆとりある老後生活」ためのライフプランで、9月から12月まで雇用保険の失業給付金の支給を受け、12月に起業し再就職手当金を受給したあと、翌年の1月から年金の繰上制度で年金受給を開始しました。
筆者が理想的な雇用保険の申請方法を実現した体験談をWEBサイトで紹介しています。以下の記事を参考に併せて読んで下さい。
👀【定年退職後のマネープラン】年金の繰上受給と個人事業主を選択(体験談)
👀【失業保険と年金】の受給方法をハローワークと年金事務所に聞きました。(体験談)
(最後まで読んでいただきありがとうございます。)
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