≪定年退職後の個人事業≫年金と事業所得の経費を通算することで節税になります。

確定申告
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定年退職後に起業して個人事業主になった人は、今後、確定申告を行う必要があります。
特に起業して個人事業主になった当初は、安定した収入が期待できなく、経費が膨らみ赤字になる場合があります。収入が安定するまでは、個人事業のために発生した経費は、正確に確定申告をすることで、年金受給している場合、所得税の還付を受けたり、年金の手取り額が増える場合があります。

今回の記事は、年金受給している個人事業主が、確定申告する時に、是非知っておくべき知識を紹介します。

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1. 公的年金等の雑所得と事業所得の赤字は損益通算できます。


年金受給している個人事業主が、確定申告する場合、年金収入は「公的年金等の雑所得」として、個人事業で得られた収入は「事業所得」として申告します。

個人事業主が支払う税金は、
① 国税である所得税は、公的年金等の雑所得と個人事業で得られた収入の事業所得等を合計した金額から、各種控除額(青色特別控除、社会保険料控除、人的控除、基礎控除等)を差し引いて計算されます。
② 地方税(都道府県税)の個人事業税は、法律で定められた70の業種の個人事業主に課税される税金です。課税対象になるのは、事業主控除額の290万円以上の収入に対して課税されます。

個人事業税率は4%or5%です。弁護士、税理士、司法書士等の士業で起業している個人事業主は、第三種事業になり5%になります。コンサルタント業も第三種事業になります。
70種類の業種と第一種事業(37種)、第二種業種(3種)、第三種業種(30種)の詳細は下記の参考サイトリンク:大阪府個人事業税で確認ください。
参考サイトリンク:👀大阪府個人事業税

定年退職後の個人事業で確定申告する人は、事業所得の収益が赤字の場合、公的年金等の雑所得と事業所得は損益通算することできます。

損益通算し合計所得金額が減ることで、所得税、住民税、国民健康保険料等が軽減され、節税につながります。

さらに、事業所得が赤字の場合、
・公的年金等の収入から、すでに所得税等が源泉徴収されている場合
・金融機関に特定口座(源泉徴収あり)を開設して資産運用している人は、投資信託の分配金や上場株式等の配当があり、すでに所得税等が源泉徴収されている場合
などがあると、事業所得の赤字額を、確定申告で損益通算することで、すでに源泉徴収された所得税が還付されます。

個人事業で収益があった場合は、必要経費と青色申告特控除額等を差し引いた額が事業所得となります。公的年金等の雑所得と合計した額が、所得税の課税所得金額になり、所得税を支払う必要があります。

年金受給者でも、個人事業で利益が上がり青色申告控除以上の利益があれば、当然利益分の税金を申告し払いますが、個人事業で赤字を計上した場合、所得税の還付が受けられ、住民税等も減額できる可能性があります。

地方税の個人事業税は、青色申告特別控除を差し引く前の事業所得が事業主控除額の290万円以下(年間)の場合は、個人事業税は課されません。
地方税の個人事業税は、所得税の確定申告や住民税の申告をした方は個人の事業税の申告をする必要はありません。自動で計算されます。

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2. 個人事業を始めるための支出は、経費又は開業費として申告できます。

個人事業を始める時に、個人所有の自家用車を業務用にした場合や、自宅を事務所として利用した場合は、経費や開業費として申告することができます。

(自家用車を個人事業の資産に計上する)

自家用車を業務用で利用する場合、車の価値を未償却残高として、開業時の資産に計上できます。そして、開業した年の減価償却費を計算し、経費に計上します。
≪計算例を紹介します≫
• 車購入日:平成29年10月1日 
• 購入費:300万円(オプション費、購入経費を含めた総額)
• 個人事業開始日:令和2年5月
計算方法は、非業務期間の償却費を出し、購入費から差し引いた額が、未償却残高相当額となり開業時の資産になります。この額から令和2年分の減価償却費を計算して経費に計上します。

① プライベートで使用していた期間は 3年で計算
 平成29年10月1日~令和2年(平成32)年4月30日 ⇒2年7カ月≒3年で計算(6カ月以上のため切上)

② 非業務期間の償却費: 899,100円
計算式 3,000,000円 × 0.9 × 0.111 × 3年 =899,100円 

③ 未償却残高相当額:2,100,900円
計算式 3,000,000円 ― 899,100円 = 2,100,900円

④ 令和2年の減価償却費:334,000円
 3,000,000円 × 0.167(※1) × 8/12カ月(※2) = 334,000円
※1 法定償却率 0.167 耐用年数6年で計算
※2 営業用に使用した月数 8カ月(5月から12月)

プライベートと仕事で共用している場合は、このあとプライベート分と仕事分に費用を配分する作業(家事按分)をすることになります。

(家賃や光熱費を経費計上する)

自宅を事務所としている場合は、家賃や水道光熱費、固定電話費用、インターネット料金など、仕事に使用した分について「家事関連費」として、経費に計上可能です。家賃や水道光熱費などは実際に使用している面積、時間を按分として、事業の経費にできます。賃貸の場合、家賃や共益費、礼金、仲介手数料なども経費になりますが、敷金は経費になりません。持ち家の場合は、経費にできるのは、減価償却費、固定資産税と管理費および住宅ローンの金利分です。

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3. 小規模企業共済の掛け金は、全額所得控除されます。

小規模企業共済とは、個人事業主などを対象とした個人事業主の退職金のような制度で、毎月の掛け金を積み立てていきます。

小規模企業共済掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。
安定した収入が得られるようになれば、掛け金は全額所得控除されますので、節税につながります。

さらに個人事業を止めたときは、退職金や年金として受け取ることができます。
共済金は、退職・廃業時に受け取り可能ですが、満期や満額はありません。

共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能。一括受取りの場合は退職所得扱いに、分割受取りの場合は公的年金等の雑所得扱いとなります。

個人事業で利益がある場合は、小規模企業共済に加入することで節税につながります。

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4. 個人事業主は、消費税免税になる場合があります。

開業から2年間、その後2年前(前前年)消費税対象売り上げ1000万円未満の場合、免税事業者となり消費税免税になります。消費税分は利益として計上できます。

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5. 青色申告で、大幅な節税対策ができます。

住民税や国民健康保険料等も、青色申告特別控除された額で計算されるため、節税にもなります。

青色申告特別控除とは、起業し個人事業主になった時に、青色申告承認申請書を提出し、個人事業に係る取引を複式簿記により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合に、事業所得から最高55万円(令和元年以前は最高65万円)を控除することができます。
(注)令和2年分以後の青色申告特別控除について、この55万円の青色申告特別控除を受けることができる人が、電子帳簿保存又はe-Taxによる電子申告を行っている場合は、65万円の青色申告特別控除が受けられます。

青色申告のためには、「複式簿記」「損益計算書と貸借対照表」と少し難しい知識と計算が必要のように感じますが、節税対策になりますので、是非簿記の勉強も少し頑張ってください。慣れればそんなに難しくありません。記帳と計算は、便利なソフトが多数ありますので、パソコンが使えれば本当に簡単に作成することができます。

簿記の勉強するのであれば、少し頑張れば、数カ月の独学でも簿記3級試験に合格できます。年に2回、最寄りの商工会議所で受験できます。是非挑戦してみてください。

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